ENECRA — LESSON PLAN 03-2

このまちの電気を決める
― 総合的な学習の時間・5コマ/地域とつなぐ ―

対象 小学校5・6年〜中学生
時間 50分×5コマ(探究のプロセスを1周し、情報の収集を2種類にします)
置きどころ 総合的な学習の時間。地域を扱う探究課題(エネルギー・環境・まちづくり)として
教科書での位置 総合的な学習の時間。技術分野 3編1章②「発電の仕組みと特徴」(東京書籍)としても実施できます。3コマ目の「自分のまちを調べる」は中学地理『新編 新しい社会 地理』p.172〜173(資源・エネルギーから見た日本の特色)と重なります
 マインクラフト(教育版/統合版)+ 無料アドオンエネクラ
無料でお使いいただけます。印刷・改変・校内での共有も自由です
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1. この単元のねらい

ゲームの中で電気を決める経験をしたうえで、自分たちのまちは実際どうなっているのかを調べ、突き合わせる。ゲームで分かったことが、そのまま現実にあてはまるとは限らない――その差に気づくところまでを扱う。

③-1(4コマ)との違いは、3コマ目に「自分のまちを調べる」を入れていることだけです。この1コマが入ると、教材の中の話が地域の話になります。

2. 学習指導要領とのつながり

小学校・中学校学習指導要領(平成29年告示)「総合的な学習の時間」。探究的な学習の過程に沿い、②情報の収集をゲーム内と地域の2方向で行います。

探究のプロセスこの単元での学習活動
① 課題の設定まちを歩き、家の数から必要な電気の量を自分で出す
② 情報の収集(1)発電のしかたごとに、出せる電気の量を画面で読み取って表にする
② 情報の収集(2)自分のまちの電気を調べる(どこから来ているか/家で何をどれだけ使っているか)
③ 整理・分析条件を変えて確かめ、ゲームで分かったことと調べたことを突き合わせる
④ まとめ・表現自分のまちに向けた提案としてまとめ、発表する
地域の人・施設への聞き取りを入れる場合は、3コマ目を校外学習や出前授業に置き換えられます。探究課題を「地域」に寄せられるのが、この構成の利点です。

3. 使う数字(すべてゲームの中で実際にこの値です)

発電のしかた出せる電気家(1,000W)に直すと変わるところ・止まる条件
太陽光発電機1,000 W1 軒雨の日は 200 W(5分の1)
発展型太陽光発電機6,000 W6 軒同じく雨に弱い
風力発電機1,200〜9,600 W1.2〜9.6 軒建てる高さで8倍変わる
水力発電機(水車)最大 450 W0.45 軒水の勢いで変わる
原子力発電所(沸騰水型)320,000 W320 軒燃料1つで4分。廃棄物が5たまると止まる

3コマ目で使う、家の中の数字です。

道具使う電気使い方
冷蔵庫200 Wずっと動いている
あかり(LED)50 W/1つつけている間
テレビ100 Wつけている間
エアコン300 Wつけている間
洗濯機500 W短い時間に一気に
電子レンジ600 W短い時間に一気に
数字の出どころ すべてアドオンの設定そのままです。子どもが画面で読んだ値と一致します。1軒=10A契約=1,000W は実際の電気の契約と同じ換算です。
家庭の実物の値は、家電の表示や検針票で子どもに調べさせてください。ゲームの値とずれることがあります。そのずれ自体が3コマ目の教材になります。

4. 準備するもの

3コマ目で家庭に協力を求める場合は、各家庭の契約内容や料金は集めない形にしてください。使う道具と、その表示のW数だけで足ります。

5. 展開(50分×5コマ)

コマ探究の過程学習活動教師の指導・援助
1① 課題の設定 まちを歩いて見る。夜にすると真っ暗。
家が何軒あるか数える。「20軒=20,000W いる」
課題:このまちの電気を、どうやってまかなうか。
必要量を先に確定させる。数えるところは省かない。自分で出した数字だから、あとの判断が自分のものになる。
2② 情報の収集(1)
ゲームの中
班ごとに発電機を建て、出力を画面で読む。表を埋める。
・太陽光は1,000W。20枚いる
・原子力は320,000W。1基でおつりがくる
「原子力だけでいい」が出る。ここで止めない。
数字は教えず読み取らせる。
3② 情報の収集(2)
自分のまち
調べる。
・自分の家の電気はどこから来ているか
・自分の県や市にどんな発電所があるか
・家で使っている道具は何Wか(表示を見る)
分かったことを持ち寄る。
教師は答えを用意しない。調べ方だけを示す。
地域に発電所がある場合も、無い場合も成立します。「無かった」も立派な結果で、次のコマで「ではどこから来ているのか」に進めます。
校外学習や出前授業に置き換えても構いません。
4③ 整理・分析 条件を変える。
①雨を降らせる(太陽光 1,000→200W)
②原子炉を動かし続ける(廃棄物が5たまって停止。止めたあとも冷やし続ける)
そのうえで、ゲームで分かったことと、調べたことを並べる。
・「うちの県のとは種類が違った」
・「家の道具、思ったより数が多い」
①は /weather rain、戻すのは /weather clear。
あかりが消える瞬間を全員で見る。
ずれが出たら、どちらが正しいかを決めない。「なぜ違うのか」を考えさせるほうが探究になります。
5④ まとめ・表現 班で自分のまちへの提案をまとめて発表する。
・「ここは風が強いから風力を高い所に」
・「太陽光だけだと雨の日に困る。何かと組み合わせる」
・「使う量を減らすことも、つくることと同じくらい効く」
正解は出さない。理由を必ず言わせる。
1コマ目と考えが変わった班を取り上げ、変わったこと自体を価値づける。
板書:選ぶとは、長所を選ぶことではなく、短所をどう補い合わせるかを決めること。

6. 評価

観点評価規準
知識・技能発電のしかたによって出せる量・変わりやすさ・止まる条件が異なることを、具体的な数値をもとに理解している。あわせて、調べた事実を整理して記録している。
思考・判断・表現ゲームで得た数値と、自分のまちについて調べた事実を関係づけ、地域に向けた提案として理由とともに説明している。
主体的に学習に取り組む態度条件が変わったときや、調べた事実が予想と違ったときに、自分の考えを見直そうとしている。
総合的な学習の時間の評価は、探究の過程で働かせた力を見ます。結論の正しさではなく、4コマ目でずれに気づいたか/考えが動いたかを記録に残してください。

7. この5コマを選ぶ理由

教材の中の話を、地域の話に接続できる構成です。総合の探究課題を「地域」に設定している学校では、この形がいちばん収まります。

構成向いている場合
4コマ(③-1)まず1周させたい。時間が確保しにくい
5コマ(この案)自分のまちを調べる時間を入れて、地域とつなげたい
6コマ(③-3)中間発表を入れて2周させたい。探究を「繰り返す」形にしたい

8. うまくいかないときは

9. 先生方へ

この指導案は無料で公開しています。印刷・改変・校内での共有に、許可の申請は要りません。学年や地域の実態に合わせて、3コマ目の調べ方を差し替えてお使いください。

ゲームの中に、社名・ロゴ・製品名・型番は入れません。形と仕組みの再現は行います。
賛否のあるテーマは、両方の立場を体験できる形で扱います。教材の中身の決定権は当社が持ちます――学校にも公共の場にも置ける状態を保つためです。

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