ENECRA — LESSON PLAN 03-3

このまちの電気を決める
― 総合的な学習の時間・6コマ/2周する ―

対象 小学校6年〜中学生
時間 50分×6コマ(探究のプロセスを2周します)
置きどころ 総合的な学習の時間。単元のまとまりとして時間を確保できる場合
教科書での位置 総合的な学習の時間。技術分野 3編1章②「発電の仕組みと特徴」(東京書籍・8時間扱いの章)としても実施できます。研究授業・公開授業向き
 マインクラフト(教育版/統合版)+ 無料アドオンエネクラ
無料でお使いいただけます。印刷・改変・校内での共有も自由です
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1. この単元のねらい

一度出した答えを、他の人からの問いを受けて、自分たちで作り直す。探究は1回で終わるものではなく、問い直すたびに深くなる――そのことを、6コマの中で実際に一度経験する。

指導要領は、探究の過程を「発展的に繰り返していく」ことを求めています。③-1と③-2は1周する構成ですが、この案だけは4コマ目に中間発表を置いて、そこから2周目に入ります。時間が確保できるなら、この形がいちばん指導要領の求める姿に近くなります。

2. 学習指導要領とのつながり

小学校・中学校学習指導要領(平成29年告示)「総合的な学習の時間」。探究的な学習の過程を2周させます。

周探究のプロセスこの単元での学習活動
1周目① 課題の設定まちを歩き、家の数から必要な電気の量を出す
② 情報の収集発電のしかたごとの出力を画面で読み取る
③ 整理・分析雨・停止の条件を加えて確かめる
④ まとめ・表現中間発表。班の案を出し、他の班から問いをもらう
2周目①〜③ 再設定・再収集・再分析もらった問いに答えるため、調べ直し・作り直す
④ まとめ・表現最終提案としてまとめ、発表する
2周目に入る仕掛けは「他の班からの問い」です。教師が課題を出し直すのではなく、子ども同士の問いで次が始まる形にしてあります。

3. 使う数字(すべてゲームの中で実際にこの値です)

発電のしかた出せる電気家(1,000W)に直すと変わるところ・止まる条件
太陽光発電機1,000 W1 軒雨の日は 200 W(5分の1)
発展型太陽光発電機6,000 W6 軒同じく雨に弱い
風力発電機1,200〜9,600 W1.2〜9.6 軒建てる高さで8倍変わる
水力発電機(水車)最大 450 W0.45 軒水の勢いで変わる
原子力発電所(沸騰水型)320,000 W320 軒燃料1つで4分。廃棄物が5たまると止まる
非常用ディーゼル発電機160 W0.16 軒非常時だけ。ポンプを動かすための備え
数字の出どころ すべてアドオンの設定そのままです。子どもが画面で読んだ値と一致します。1軒=10A契約=1,000W は実際の電気の契約と同じ換算です。

4. 準備するもの

2周目で作り直すので、1周目のワールドは消さずに残してください。「前はこうしていた」を並べられることが、この構成の値打ちです。

5. 展開(50分×6コマ)

コマ探究の過程学習活動教師の指導・援助
1① 課題の設定 まちを歩いて見る。夜にすると真っ暗。
家が何軒あるか数える。「20軒=20,000W いる」
課題:このまちの電気を、どうやってまかなうか。
必要量を先に確定させる。数えるところは省かない。
2② 情報の収集 班ごとに発電機を建て、出力を画面で読む。表を埋める。
・太陽光は1,000W。20枚いる
・原子力は320,000W。1基でおつりがくる
「原子力だけでいい」が出る。ここで止めない。数字は教えず読み取らせる。
3③ 整理・分析 条件を変える。
①雨を降らせる(太陽光 1,000→200W)
②原子炉を動かし続ける(廃棄物が5たまって停止。止めたあとも冷やし続ける)
「量だけでは決められない」と気づく。
①は /weather rain、戻すのは /weather clear。
あかりが消える瞬間を全員で見る。
気づきを「量・変わりやすさ・止まる条件」に整理して板書。
4
★山場
④ まとめ・表現
(中間発表)
班ごとに1周目の案を発表する。
聞いている班は問いを1つ書いて渡す。
・「雨が3日続いたらどうするの?」
・「廃棄物はどこに置くの?」
・「夜は太陽光が0なのでは?」
教師は評価しない。問いを集めることに徹する。
「よい問い」を取り上げて全体に共有する。答えられない問いが出た班ほど、2周目が濃くなることを伝える。
ここで単元が折り返す。
5①〜③
2周目
もらった問いに答えるために、調べ直し・作り直す。
・夜と雨を両方試す
・廃棄物の行き先を作る(再処理まで扱える)
・発電所を建て替える/組み合わせを変える
何を変えたかを記録する。
作り直しを「失敗のやり直し」にしない。問いに答えるために変えた、という位置づけを言葉にする。
変えなかった班もよい。「変えない理由」を説明できれば、それも探究です。
6④ まとめ・表現 最終提案を発表する。1周目から何を変えたかを必ず入れる。
・「雨が続く前提にしたら、原子力を足すことにした」
・「廃棄物の置き場を先に決めた」
最後に、自分のまちではどうかを書く。
正解は出さない。
評価の中心は結論ではなく「1周目と何が変わり、なぜ変えたか」。
板書:選ぶとは、長所を選ぶことではなく、短所をどう補い合わせるかを決めること。

6. 評価

観点評価規準
知識・技能発電のしかたによって出せる量・変わりやすさ・止まる条件が異なることを、具体的な数値をもとに理解している。
思考・判断・表現他者からの問いを踏まえて自分たちの案を検討し直し、変更点とその理由を説明している。
主体的に学習に取り組む態度問いを受けて調べ直そうとし、一度出した答えを見直している。
この構成では、4コマ目の問いカードと、5コマ目の「変えた記録」がそのまま評価材料になります。作品の出来ではなく、問いにどう応えたかを見てください。

7. この6コマを選ぶ理由

探究を「繰り返す」形にできる、唯一の構成です。指導要領が求める「発展的に繰り返す」姿に最も近く、研究授業や公開授業にも向きます。時間の確保が要るぶん、得られるものが変わります。

構成向いている場合
4コマ(③-1)まず1周させたい。時間が確保しにくい
5コマ(③-2)自分のまちを調べる時間を入れて、地域とつなげたい
6コマ(この案)中間発表を入れて2周させたい。研究授業・公開授業で扱いたい
③-2(地域を調べる)と組み合わせて7コマにすることもできます。その場合は、3コマ目の後に「自分のまちを調べる」を挟んでください。

8. うまくいかないときは

9. 先生方へ

この指導案は無料で公開しています。印刷・改変・校内での共有に、許可の申請は要りません。学年や実態に合わせて、コマ数や発問を変えてお使いください。

ゲームの中に、社名・ロゴ・製品名・型番は入れません。形と仕組みの再現は行います。
賛否のあるテーマは、両方の立場を体験できる形で扱います。教材の中身の決定権は当社が持ちます――学校にも公共の場にも置ける状態を保つためです。

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