ENECRA — LESSON PLAN 03-1

このまちの電気を決める
― 総合的な学習の時間・4コマ ―

対象 小学校5・6年〜中学生
時間 50分×4コマ(探究のプロセスを1周します)
置きどころ 総合的な学習の時間。教科をまたぐ課題(エネルギー・環境・地域)として
教科書での位置 総合的な学習の時間。理科なら中3 単元5 第3章 第2節(p.284〜289)の前後、小6 単元9の( )の時間。技術分野 3編1章②「発電の仕組みと特徴/適切な発電構成割合を自分なりに考える」(東京書籍)としても実施できます
 マインクラフト(教育版/統合版)+ 無料アドオンエネクラ
無料でお使いいただけます。印刷・改変・校内での共有も自由です
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1. この単元のねらい

電気は「つくれば届く」ものではなく、どれだけ要るのか・何でまかなうのか・条件が変わったらどうするのかを決める必要がある。その決め方を、自分たちで一度やってみる。

教科の授業と違い、総合には決まった答えがありません。この単元でも正解は用意しません。代わりに、判断が変わるだけの条件を出します。子どもが最初に出す答えは、たいてい「原子力だけでいい」です。そこから自分で考えを変えるところまでが、この4コマです。

2. 学習指導要領とのつながり

小学校・中学校学習指導要領(平成29年告示)「総合的な学習の時間」。目標に示された探究的な学習の過程に沿って構成しています。

探究のプロセスこの単元での学習活動
① 課題の設定まちを歩き、家の数から必要な電気の量を自分で出す。「このまちの電気をどうするか」を課題にする
② 情報の収集発電のしかたごとに、出せる電気の量を画面で読み取って表にする
③ 整理・分析雨・停止などの条件を加え、量だけでは決められないことを確かめる
④ まとめ・表現班として組み合わせを決め、理由を添えて提案する
横断的・総合的な課題として、環境・エネルギー・地域を扱います。理科(電気・エネルギー資源)、社会科(くらしを支える仕組み)、技術・家庭 技術分野(エネルギー変換)と接続できます。

3. 使う数字(すべてゲームの中で実際にこの値です)

発電のしかた出せる電気家(1,000W)に直すと変わるところ・止まる条件
太陽光発電機1,000 W1 軒雨の日は 200 W(5分の1)
発展型太陽光発電機6,000 W6 軒同じく雨に弱い
風力発電機1,200〜9,600 W1.2〜9.6 軒建てる高さで8倍変わる
水力発電機(水車)最大 450 W0.45 軒水の勢いで変わる
原子力発電所(沸騰水型)320,000 W320 軒燃料1つで4分。廃棄物が5たまると止まる
非常用ディーゼル発電機160 W0.16 軒非常時だけ。ポンプを動かすための備え
数字の出どころ すべてアドオンの設定そのままです。授業中に子どもが画面で読んだ値と、この表は一致します。1軒=10A契約=1,000W は実際の電気の契約と同じ換算です。

4. 準備するもの

原子力発電所はビルダーブロックで一瞬で建ちます。手で積む必要はありません。建てることに時間を使わないでください。この単元で時間を使うのは「建てたあとに何が起きるか」です。

5. 展開(50分×4コマ)

コマ探究の過程学習活動教師の指導・援助
1① 課題の設定 まちを歩いて見る。夜にすると真っ暗だと気づく。
家が何軒あるか数える。
・「20軒ある」
・「じゃあ 20,000W いるのか」
課題をつくる:このまちの電気を、どうやってまかなうか。
まず必要量を確定させる。ここが決まらないと比較が始まらない。数えるところは省かない――自分で出した数字だから、あとの判断が自分のものになる。
課題は教師が言わず、子どもの言葉を拾って板書する。
2② 情報の収集 班ごとに発電機を建て、1つあたりの出力を画面で読む。記録用紙の表を自分で埋める。
・太陽光は1,000W。20枚いる
・原子力は320,000W。1基でおつりがくる
・水車は450W。44台必要
「原子力だけでいい」という声が必ず出る。ここで止めない。次のコマで判断が揺れるようにする。
数字は教えない。読み取らせることに意味がある。
3③ 整理・分析 2つの出来事を起こして、集めた数字を見直す。
①雨を降らせる(太陽光 1,000→200W)
②原子炉を動かし続ける(廃棄物が5たまって停止する。止めたあとも冷やし続ける必要がある)
止まった瞬間、まちのあかりが消える。
「量だけでは決められない」と気づく。
①は /weather rain、戻すのは /weather clear。②は燃料を入れて放っておけば起きる。
あかりが消える瞬間を全員で見る。説明よりここが効く。
気づきを「量・変わりやすさ・止まる条件」の3つに整理して板書する。
4④ まとめ・表現 班で組み合わせを1つ決め、提案として発表する。
・「原子力+太陽光。雨の日は原子力が支える」
・「風力を高い所に建てる。でも8倍変わるのは不安」
・「廃棄物の行き先を先に決めないと止まる」
最後に、自分のまちではどうかを書く。
正解は出さない。「なぜそれを選んだか」を必ず言わせる。
1コマ目と考えが変わった班を取り上げ、変わったこと自体を価値づける。
板書:選ぶとは、長所を選ぶことではなく、短所をどう補い合わせるかを決めること。

6. 評価

観点評価規準
知識・技能発電のしかたによって、出せる量・変わりやすさ・止まる条件が異なることを、具体的な数値をもとに理解している。
思考・判断・表現必要な量に対して組み合わせを選び、その理由を量・変動・停止条件の3つの面から説明している。
主体的に学習に取り組む態度条件が変わったときに、自分がいったん出した答えを見直そうとしている。
総合的な学習の時間の評価は、探究の過程で働かせた力を見ます。到達した結論の正しさではなく、3コマ目で考えが動いたかどうかを記録に残してください。

7. この4コマを選ぶ理由

探究を1周だけする、いちばん短い形です。総合の時間を大きく空けられない場合や、はじめてエネクラを使う場合はここから始めてください。

構成向いている場合
4コマ(この案)まず1周させたい。時間が確保しにくい。学級で初めて扱う
5コマ(③-2)自分のまちを調べる時間を入れて、地域とつなげたい
6コマ(③-3)中間発表を入れて2周させたい。探究を「繰り返す」形にしたい

8. うまくいかないときは

9. 先生方へ

この指導案は無料で公開しています。印刷・改変・校内での共有に、許可の申請は要りません。学年や実態に合わせて、時間配分や発問を変えてお使いください。

ゲームの中に、社名・ロゴ・製品名・型番は入れません。形と仕組みの再現は行います。
賛否のあるテーマは、両方の立場を体験できる形で扱います。教材の中身の決定権は当社が持ちます――学校にも公共の場にも置ける状態を保つためです。

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