ENECRA — LESSON PLAN 06

W(ワット)で見積もる
― 中学校2年 理科「電流とその利用」―

対象 中学校2年
時間 50分(1単位時間)
置きどころ 第1分野「電流とその利用」のうち、電力・電気エネルギーを扱う時間
教科書での位置 東京書籍『新編 新しい科学2』単元4「電流とその利用」第2章 第5節「電気エネルギー」(p.264〜266)で電力・電力量を学んだ後の適用場面。電流・電圧・オームの法則・回路は扱いません
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1. この時間のねらい

W(ワット)は、1秒あたりにどれだけ電気を使うかを表す。数字を覚えるのではなく、足すと上限を超えるという形で確かめる。そのうえで、必要な電力を見積もる。

電力の計算は、紙の上では正解が出ても、実感が伴いにくいところです。この時間は計算した結果が、その場でブレーカーとして返ってくる形にしてあります。

2. 学習指導要領とのつながり ― 扱う範囲を限定しています

中学校学習指導要領(平成29年告示)理科 第1分野「電流とその利用」。この単元は範囲が広く、本教材で扱えるのは一部だけです。正直に線を引いておきます。

単元の内容本教材で
電力(W)・電気エネルギーの量扱えます。すべての機器がW表示で、合計すると上限を超えます
電流・電圧の測定、オームの法則、抵抗扱えません。実験と併用してください
直列回路・並列回路扱えません。
電流の発熱(熱量・ジュール)扱えません。
電流の磁気作用・電磁誘導・静電気扱えません。
この教材は、実験の代わりにはなりません。電流計・電圧計を使う実験、オームの法則、直列並列の学習は、そのまま必要です。
この50分は、電力(W)という量の意味を、規模の大きい場面で確かめる時間として置いてください。単元の導入にも、電力の計算を学んだ後の適用場面にも使えます。

3. 使う数字(すべてゲームの中で実際にこの値です)

家の中で使う電力

道具電力使い方
冷蔵庫200 Wずっと動いている
あかり(LED)50 W/1つつけている間
テレビ100 Wつけている間
エアコン300 Wつけている間
洗濯機500 W短い時間に一気に
電子レンジ600 W短い時間に一気に

家に入れられる上限(引込盤で選びます)

契約使える電力毎月の基本料金
10 A1,000 W311 円
20 A2,000 W624 円
30 A3,000 W935 円

つくる側の電力

発電のしかた電力家(1,000W)に直すと変わるところ
太陽光発電機1,000 W1 軒雨の日は 200 W
発展型太陽光発電機6,000 W6 軒同じく雨に弱い
風力発電機1,200〜9,600 W1.2〜9.6 軒建てる高さで8倍変わる
原子力発電所(沸騰水型)320,000 W320 軒廃棄物が5たまると止まる
数字の出どころ すべてアドオンの設定そのままです。授業中に生徒が画面で読んだ値と、この表は一致します。1軒=10A契約=1,000W は実際の電気の契約と同じ換算です。

4. 準備するもの

5. 展開(50分)

過程時間学習活動教師の指導・援助
つかむ5分 教師の画面で、家の道具を1つずつつけていく。電子レンジをつけた瞬間にブレーカーが落ちて、家じゅうが真っ暗になるのを見る。 説明せずに、まず落として見せる。
「合計が上限を超えた」という言い方に、生徒の言葉から近づける。
課題3分 学習課題をつかむ。 板書:W(ワット)とは何か。合計するとどうなるか。
調べる
(活動1)
12分 ワールドに入り、道具を1つずつつけながら合計を計算する。どこで落ちるかを確かめる。
・冷蔵庫200+LED2つ100=300W
・電子レンジ600Wを足して900W。まだ大丈夫
・洗濯機500Wを足すと1,400W → 落ちる
W=1秒あたりに使う電気の量、という定義をここで確認する。
落ちた瞬間を全員が体験することが大事。早く終わった生徒には「落ちない組み合わせ」を探させる。
広げる
(活動2)
15分 視点をつくる側に移す。まちの家を数え、必要な電力を出す。
・「20軒=20,000W」
発電機を建てて、1つあたりの電力を画面で読む。何台必要かを計算する。
・太陽光1,000W → 20台
・原子力320,000W → 1基でおつりがくる
同じ「W」が、使う側と つくる側の両方で使える単位であることに気づかせる。
ここが、家の中の計算と、社会の中の電力をつなぐところ。
ゆさぶる10分 雨を降らせる。太陽光が 1,000→200W になる。20台では足りなくなる。
「同じ台数でも、条件で変わる」
足りない分をどうするかを考える。
/weather rain で雨、/weather clear で晴れ。
「定格」と「実際に出る量」は違う、という見方に触れる。見積もりには余裕が要ることに気づかせたい。
まとめる5分 分かったことを書く。
・W は1秒あたりに使う(つくる)電気の量
・使う側は合計が上限を超えると止まる
・つくる側は条件で出る量が変わるので、余裕が要る
板書:電力を見積もるとは、合計と上限、そして変わり幅を同時に見ること。
次時(オームの法則・回路の実験)へつなぐ言葉を添える。

6. 評価

観点評価規準
知識・技能電力(W)が単位時間あたりに消費(供給)される電気の量であることを理解し、複数の機器の電力を合計して上限と比較している。
思考・判断・表現必要な電力に対して発電の台数を見積もり、条件(天候など)によって供給量が変わることを踏まえて説明している。
主体的に学習に取り組む態度自分の見積もりが条件によって成り立たなくなったとき、見直そうとしている。

7. うまくいかないときは

8. 前後につながる指導案

学年指導案関係
小6 理科① 限られた電気で、くらしをつくる同じ導入(ブレーカー)を小学校向けにした形。既習の確認に
中3 理科② このまちの電気を、何でまかなうか後。エネルギー資源の選択へ進む
総合③-1〜③-3 このまちの電気を決める4〜6コマかけて探究として扱う場合

9. 先生方へ

この指導案は無料で公開しています。印刷・改変・校内での共有に、許可の申請は要りません。

ゲームの中に、社名・ロゴ・製品名・型番は入れません。形と仕組みの再現は行います。
賛否のあるテーマは、両方の立場を体験できる形で扱います。教材の中身の決定権は当社が持ちます――学校にも公共の場にも置ける状態を保つためです。

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